海沿いを通り山を抜けながら、芦北町と水俣をつなぐ「県道56号水俣田浦線」。緊急時において、この水俣田浦線は国道3号線や高速道路に次ぐ大きな役割を持つ道路になります。これまで松下組はこの道路で多くの工事を施工してきました。
舗装工事
法面工事
地元建設業としてのCSRを果たすため、地域の人々の当たり前をつくりたいという思いで、現在は橋の足腰となる部分を施工しています。
この道はみんなの安心とつながっている
水俣田浦線は熊本県から「第二次緊急輸送道路」に指定されており、地震が起こったときには「3号線や高速道路に連絡する」 「防災拠点にアクセスする」といった役割を担っています。
つまり役場や消防署と同じように絶対に倒れてはいけない道路です。
一朝有事に備え、万全に機能するよう水俣田浦線では工事が計画、施工されています。そんな道路を南下していくと橋のそばで一際大きい機械が動いていました。ここが現在当社で施工している工事現場です。
全国にある橋の半分は今から約50年前に作られており、老朽化による変状が顕著に現れています。この栄橋もそんな橋の中の1つです。
栄橋は昭和43年に建設され、橋齢は50年を超えています。調査したところ、耐震安全性が確保されていないことが判明。このままでは地震が起こったときには、橋が崩れ通行できなくなるかもしれない。事態を未然に防ぐため検討された結果、橋の架替えが計画されました。
一連の計画の中で、今回の松下組のミッションは橋を支えていた橋台と呼ばれている部分を撤去後、作り直すこと。
地震が起きても変わらず立ち続け、いつも通り通行できる橋の強固な土台を作り、万が一の際に地域の人たちを守ることができる道路づくりが求められています。
その課題、過去の経験と知恵で
栄橋は津奈木湾に面しており、小津奈木川の下流をまたぐ橋です。海の近くということで自然の影響も受けやすく、慎重な管理が求められます。
特に気をつけなければならないのが、構造物が海水に浸ってしまうこと。
施工時には仮締切といって構造物の周りを囲って水が入らないようにします。しかし満潮時には締め切っている隙間から海水が染み出してくる可能性があり、品質に悪影響を与えるかもしれません。絶対に倒れてはいけないものの品質を確保するためにどうするか。
担当職員の技術者としての経験と知恵を駆使し、特殊な材料や工夫で対処していきます。
関わるすべての人たちが心地よい現場に
施工の他にも細かい配慮が現場のいろいろなところで見られます。
今まで建設業は週休1日や隔週土曜日休みというのが普通でした。「週休2日」試行工事というのはこれから主流になっていく毎週2日休みに対応した工事のことです。実現のために今までよりもシビアな工程管理や生産性の向上が必要になりますが、担当職員の手腕によって達成されています。
花を飾ったり、現場事務所内の環境を整備して快適な作業環境を作っています。
次亜塩素酸ミストを設置しウィルス対策をしていたり、飲料や様々な熱中症対策用グッズを準備していたりと担当職員たちの気配りが感じられました。
新しい日常を
今の栄橋はこれまで50年間地域の人たちの当たり前の風景を作ってきました。新しい栄橋も次の50年の景色を飾ることになるでしょう。機能としても大きな役割をもつ橋の施工に携われたということは地元建設業者として冥利につきます。小さなことから一つひとつ積み重ねていき、これからも地域の人たちの”当たり前”を作り続けていきます。